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外壁
外壁カバー工法とは?デメリットや費用、向いているケースを解説
2023.02.13
外壁のメンテナンスを検討していると、「カバー工法」という手法を業者からおすすめされることがあるかもしれません。あまり聞き馴染みがない言葉ですが、さまざまなメリットがあるカバー工法。
この記事ではメリット・デメリットや施工費用から、「塗装や張り替えではなくカバー工法が向いているのはどんな場合なのか?」といったことまで詳しく解説していきます。
カバー工法とは、もともとの外壁材の上から新しい外壁材を重ねて施工する方法です。外壁だけでなく屋根のメンテナンスでも使われており、表面上にダメージはあるものの下地には痛みが広がっていない場合などに採用されます。
外壁材が二重になるため、建物に負担がかからないように新しい外壁材には軽量の金属系サイディングを使用するケースが主流です。
「重ね張り」とも呼ばれるこの方法のメリット・デメリット、ほかの外壁メンテナンスとの違いについてまずは知っていきましょう。
1.張り替えに比べて費用・工期を抑えられる
2.断熱性、遮音性が向上する
3.長期的に見てメンテナンス費用を抑えることができる
また、2004年以前に建てられた物件の場合、外壁材にアスベストが含まれている可能性があります。もともとの外壁材にアスベストが使用されていた場合には特殊な撤去作業が必要になり、追加費用が発生するのですが、こうした場合もカバー工法であれば費用を抑えることができます。
工期に関しても、外壁張り替えの場合は3週間前後かかりますが、カバー工法であれば2週間前後と短くなります。
また、カバー工法で主に使用される金属系サイディングは表面にメッキ塗装が施されたもので、芯材に断熱材が使用されているため、ほかの外壁材と比べて断熱性が高くなります。
断熱性が向上することで夏は涼しく、冬は暖かく、一年中快適な住環境を保つことができるのです。
1.使用できる外壁材が限られている
2.下地部分の補修はできない
3.内部結露が発生するリスクがある
どうしてもこの外壁材を使用したい、といったこだわりがある場合はカバー工法では実現できない可能性もあることを覚えておきましょう。
劣化症状を根本的に解消したいのであれば、外壁の張り替えが向いていると言えるでしょう。
外壁内部に結露が生じると雨漏りや下地部分の腐食、シロアリの発生につながる恐れがあります。正しい知識や技術を持っていない業者が施工すると、こうした施工不良が発覚するリスクがあるため、実績があり信頼できる外壁業者に依頼するようにしましょう。
外壁張り替え工事の費用は、劣化状況や施工面積によっても異なりますが、30坪の戸建ての場合120~200万円程度が相場です。
外壁塗装の相場が80~120万円程度、外壁張り替えの相場が160~250万円と言われているため、外壁のメンテナンスとしては耐久性・価格帯ともに中間に属する工事であることがお分かりいただけるのではないでしょうか。
施工業者によって単価や項目の名称は異なりますが、おおよそ必要な項目とそれぞれの相場はこのようになります。
余談ですが、信頼できる業者を見極めるためには、見積書の合計費用だけでなく内訳や単価までチェックすることが大切です。見積書でチェックすべき箇所については、【外壁塗装の見積】注意点と見積書のチェックポイントを解説の記事も参考にしてみてください。
「窯業系サイディング」はセメントと繊維質などを原料にしているのに対して、「金属系サイディング」は溶融亜鉛メッキ鋼板やガルバリウム鋼板などの金属板を加工したものになります。また、取り扱っている業者は多くありませんが、木を素材として温もりの感じられる「木質系サイディング」や、プラスチックの一種である塩化ビニル樹脂を素材とした「樹脂系サイディング」といった外壁材もあります。
もとの外壁材との相性やお悩みによって適した外壁材が異なるため、依頼する業者に相談してみると良いでしょう。
外壁のメンテナンス方法としては「外壁塗装」「外壁張り替え」、そして「外壁カバー工法」の3つが選択肢としてあるとお伝えしました。
価格としても手頃な外壁塗装の方がいいのでは?思い切って張り替えをした方がいいのだろうか?など、ほかのメンテナンス方法と迷う方も多いのではないでしょうか。外壁のメンテナンス方法として、カバー工法が向いているのは次のようなケースです。
こうした劣化症状が出ている場合、そのまま塗装を行うことは難しく、まず破損個所の修復が必要になります。塗装に修復費用が上乗せされるよりも、カバー工法で上から新しい外壁材を施工した方が結果的にコストも安く、耐久性も上げられるかもしれません。
劣化症状が出ており、築年数が30年以上経過している場合は、カバー工法ではなく張り替えの方が適切なケースもありますので、その際は一度業者に相談してみるとよいでしょう。
カバー工法でよく使われる金属系サイディングの場合、芯材に断熱材を使用しているため施工後は断熱性の向上が期待できます。また、外壁が二重構造になるため、遮音性も高くなるのがカバー工法のメリットです。
見積りを依頼する際にこういったお悩みもあわせて伝えておくことで、お悩みに合わせた外壁材や施工方法を提案してもらえるでしょう。
参考として、ガイソーで施工した外壁カバー工法の実例をご紹介します。カバー工法を検討されている方は、費用や施工日数などの参考にしてみてください。
今回はカバー工法のメリットや費用についてご紹介しました。
塗装や張り替えに比べてあまり聞き覚えのない工事かもしれませんが、断熱性・遮音性の向上なども期待でき、長期的にみてメンテナンス費用も抑えられるのがカバー工法の良いところです。既存の外壁材によってカバー工法での施工ができるかどうかが変わってくるため、検討中の方は一度業者に相談してみると良いでしょう。
ガイソーでもメール相談や無料見積もりを承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
この記事ではメリット・デメリットや施工費用から、「塗装や張り替えではなくカバー工法が向いているのはどんな場合なのか?」といったことまで詳しく解説していきます。
外壁のカバー工法とは?
カバー工法とは、もともとの外壁材の上から新しい外壁材を重ねて施工する方法です。外壁だけでなく屋根のメンテナンスでも使われており、表面上にダメージはあるものの下地には痛みが広がっていない場合などに採用されます。外壁材が二重になるため、建物に負担がかからないように新しい外壁材には軽量の金属系サイディングを使用するケースが主流です。
「重ね張り」とも呼ばれるこの方法のメリット・デメリット、ほかの外壁メンテナンスとの違いについてまずは知っていきましょう。
外壁カバー工法のメリット
外壁カバー工法のメリットとしては、主に次の点が挙げられます。1.張り替えに比べて費用・工期を抑えられる
2.断熱性、遮音性が向上する
3.長期的に見てメンテナンス費用を抑えることができる
張り替えに比べて費用・工期を抑えられる
古い外壁材を撤去して新しい外壁材を施工する「張り替え」の場合、古い外壁材の撤去作業が必要になるためその分の費用が追加で発生します。それに比べて、カバー工法の場合は古い外壁材の撤去費用が発生しないため、張り替えに比べて費用が安くなるのがメリットの1つと言えるでしょう。また、2004年以前に建てられた物件の場合、外壁材にアスベストが含まれている可能性があります。もともとの外壁材にアスベストが使用されていた場合には特殊な撤去作業が必要になり、追加費用が発生するのですが、こうした場合もカバー工法であれば費用を抑えることができます。
工期に関しても、外壁張り替えの場合は3週間前後かかりますが、カバー工法であれば2週間前後と短くなります。
断熱性、遮音性が向上する
騒音などの悩みがある方の場合、カバー工法では外壁材が二重構造になるため、遮音性の向上が期待できるのもカバー工法のメリットです。また、カバー工法で主に使用される金属系サイディングは表面にメッキ塗装が施されたもので、芯材に断熱材が使用されているため、ほかの外壁材と比べて断熱性が高くなります。
断熱性が向上することで夏は涼しく、冬は暖かく、一年中快適な住環境を保つことができるのです。
長期的に見てメンテナンス費用を抑えることができる
外壁のメンテナンス方法としてもっとも手軽で一般的なのは塗装ですが、塗装の場合は約10年スパンで定期的な点検・メンテナンスが必要になります。それに比べて、カバー工法で施工した場合は耐久性がアップするため、長期的に見た際にメンテナンス費用を抑えることができるというメリットがあります。外壁カバー工法のデメリット
一方で、外壁カバー工法には次のようなデメリットもあります。1.使用できる外壁材が限られている
2.下地部分の補修はできない
3.内部結露が発生するリスクがある
使用できる外壁材が限られている
カバー工法では外壁材を二重に施工することになるため、軽量な金属系サイディングを使うことが主流であるとお伝えしました。重量のある外壁材を上から施工すると耐震性が下がる恐れがあるため、ALCやタイルなどを上から施工することは難しく、軽量な金属系サイディングが主流になるというわけです。どうしてもこの外壁材を使用したい、といったこだわりがある場合はカバー工法では実現できない可能性もあることを覚えておきましょう。
下地部分の補修はできない
外壁のダメージは目に見える部分がすべてではありません。カバー工法では既存の外壁材を撤去せずに施工を行うため、下地部分まで点検することはできず、万が一下地部分に痛みがあったとしても補修することはできないというデメリットがあります。劣化症状を根本的に解消したいのであれば、外壁の張り替えが向いていると言えるでしょう。
内部結露が発生するリスクがある
カバー工法で新しい外壁材を上から施工する際、「胴縁」という建材を既存外壁に配置し、空気の通り道を確保します。この空気の通り道がうまく確保できていないと、外壁内外の気温差によって内部結露が発生してしまいます。外壁内部に結露が生じると雨漏りや下地部分の腐食、シロアリの発生につながる恐れがあります。正しい知識や技術を持っていない業者が施工すると、こうした施工不良が発覚するリスクがあるため、実績があり信頼できる外壁業者に依頼するようにしましょう。
外壁カバー工法の費用相場
外壁張り替え工事の費用は、劣化状況や施工面積によっても異なりますが、30坪の戸建ての場合120~200万円程度が相場です。外壁塗装の相場が80~120万円程度、外壁張り替えの相場が160~250万円と言われているため、外壁のメンテナンスとしては耐久性・価格帯ともに中間に属する工事であることがお分かりいただけるのではないでしょうか。
カバー工法にかかる費用の内訳
外壁カバー工法の費用には、新しい外壁材の費用に加えて足場設置代や運搬費など、さまざまな費用が含まれています。外壁面積120㎡の住宅を例に、一般的な見積書の内容を下図にまとめましたのでご覧ください。項目 | 単価 | 数量 | 単位 | 金額 |
カバー工法費用(外壁材費用含む) | 7,000 | 120 | ㎡ | 840,000 |
足場設置代 | 700 | 200 | ㎡ | 140,000 |
養生シート代 | 500 | 200 | ㎡ | 100,000 |
土台(透湿防水シート) | 300 | 120 | ㎡ | 36,000 |
土台(水切り板金) | 1500 | 120 | ㎡ | 180,000 |
土台(胴縁) | 1500 | 120 | ㎡ | 180,000 |
シーリング | 800 | 250 | m | 200,000 |
運搬費・諸経費 | ー | ー | 一式 | 100,000 |
小計 | 1,776,000 | |||
消費税 | 177,600 | |||
合計 | 1,953,600 |
施工業者によって単価や項目の名称は異なりますが、おおよそ必要な項目とそれぞれの相場はこのようになります。
余談ですが、信頼できる業者を見極めるためには、見積書の合計費用だけでなく内訳や単価までチェックすることが大切です。見積書でチェックすべき箇所については、【外壁塗装の見積】注意点と見積書のチェックポイントを解説の記事も参考にしてみてください。
カバー工法で使用する外壁材の種類と単価
カバー工法の外壁材としては主流である「金属系サイディング」のほかにも、「窯業系サイディング」や「樹脂系サイディング」が使用されることがあります。それぞれの単価と簡単な特徴は下記のようになります。種類 | 1㎡単価 | 特徴 |
窯業系サイディング | 4000〜6000円 | 普及率が高く、費用も手頃 |
金属系サイディング | 5000〜7000円 | 断熱性・遮音性が高く、軽量 |
木質系サイディング | 6000〜9000円 | 断熱性が高く、温もりのあるデザイン |
樹脂系サイディング | 7000〜10000円 | 耐候性が高く、メンテナンスフリー |
「窯業系サイディング」はセメントと繊維質などを原料にしているのに対して、「金属系サイディング」は溶融亜鉛メッキ鋼板やガルバリウム鋼板などの金属板を加工したものになります。また、取り扱っている業者は多くありませんが、木を素材として温もりの感じられる「木質系サイディング」や、プラスチックの一種である塩化ビニル樹脂を素材とした「樹脂系サイディング」といった外壁材もあります。
もとの外壁材との相性やお悩みによって適した外壁材が異なるため、依頼する業者に相談してみると良いでしょう。
外壁カバー工法が向いているケース
外壁のメンテナンス方法としては「外壁塗装」「外壁張り替え」、そして「外壁カバー工法」の3つが選択肢としてあるとお伝えしました。価格としても手頃な外壁塗装の方がいいのでは?思い切って張り替えをした方がいいのだろうか?など、ほかのメンテナンス方法と迷う方も多いのではないでしょうか。外壁のメンテナンス方法として、カバー工法が向いているのは次のようなケースです。
大きな凹みやひび割れがある場合
「クラック」と呼ばれるひび割れや、塗膜の剥離、表面の穴や凹みなど、外壁の劣化症状が進んでいる場合はカバー工法がおすすめです。こうした劣化症状が出ている場合、そのまま塗装を行うことは難しく、まず破損個所の修復が必要になります。塗装に修復費用が上乗せされるよりも、カバー工法で上から新しい外壁材を施工した方が結果的にコストも安く、耐久性も上げられるかもしれません。
劣化症状が出ており、築年数が30年以上経過している場合は、カバー工法ではなく張り替えの方が適切なケースもありますので、その際は一度業者に相談してみるとよいでしょう。
断熱性や遮音性を高めたい場合
お住まいの地域によって冬はエアコンをつけていても家の中が寒かったり、線路沿いで騒音が気になったり……お家に関するお悩みが外壁の退色やダメージ以外にもある、という場合もカバー工法がおすすめです。カバー工法でよく使われる金属系サイディングの場合、芯材に断熱材を使用しているため施工後は断熱性の向上が期待できます。また、外壁が二重構造になるため、遮音性も高くなるのがカバー工法のメリットです。
見積りを依頼する際にこういったお悩みもあわせて伝えておくことで、お悩みに合わせた外壁材や施工方法を提案してもらえるでしょう。
外壁カバー工法の施工事例
参考として、ガイソーで施工した外壁カバー工法の実例をご紹介します。カバー工法を検討されている方は、費用や施工日数などの参考にしてみてください。施工事例1
シーリングがはがれ、雨漏りが心配になってご依頼いただいたお客様です。塩害地域でも安心なアルミ素材の金属サイディングで施工を行い、デザインも刷新して新築のような状態に。
リフォーム費用 | 310万円 |
施工期間 | 22日間 |
施工事例2
こちらも外壁材にひび割れやチョーキングといった劣化症状が出ており、雨漏りにもお悩みだったというお客様。印象的なお色はそのままに、角波板金と呼ばれる金属系サイディングでのカバー工事を行い、雨漏りも解消いたしました。リフォーム費用 | 122万円 |
施工期間 | 26日間 |
築年数 | 20年 |
まとめ
今回はカバー工法のメリットや費用についてご紹介しました。塗装や張り替えに比べてあまり聞き覚えのない工事かもしれませんが、断熱性・遮音性の向上なども期待でき、長期的にみてメンテナンス費用も抑えられるのがカバー工法の良いところです。既存の外壁材によってカバー工法での施工ができるかどうかが変わってくるため、検討中の方は一度業者に相談してみると良いでしょう。
ガイソーでもメール相談や無料見積もりを承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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