コラム
外壁
アパートの外壁塗装の基礎知識!費用相場や流れ、注意点などを詳しく解説
2023.12.09
CONTENTS
アパートのオーナーの方の中には、
「アパートの老朽化に悩んている」
「アパートの資産価値を維持する方法を知りたい」
などの理由で、アパートの外壁塗装を検討している方もいるでしょう。
実際に、築年数が古いアパートでも、基礎知識を押さえて外壁塗装を実施すれば、見た目をよくしたり、劣化を防いだりできます。
ただ、費用相場や実施までの流れ、注意点などがわからず、どのようにアパートの外壁塗装を進めていけばよいのかわからないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、アパートの外壁塗装の基礎知識について解説します。アパート経営をしている方は、ぜひ参考にしてください。
まずはアパートの外壁塗装にかかる費用相場を「階数別」に見ていきましょう。また、「外壁塗装費」として総額だけを見るのではなく、内訳ごとの費用相場を把握しておくことも大切です。
そこで、アパートの階数別の外壁塗装の費用相場と、内訳ごとの費用相場を解説します。
・2階建て:120~300万円
・3階建て:150~400万円
外壁塗装は建物の高さや塗装面積によって必要な費用が変わります。一般的に2階建てよりも3階建てのアパートの方が、塗料や足場、人件費などが多くかかることから、費用相場が高くなっています。
・塗料代:約20%
・足場代:約20%
・人件費:約30%
・諸費用:約30%
一つひとつの項目について見ていきましょう。
このように、塗料のグレードが低ければ単価が安くなる反面、耐用年数も短くなります。
1㎡あたりの単価で見ると数百円〜数千円の差ですが、アパート全体の塗装面積として計算すると、塗料の種類によっては数十万円以上の差が出ます。
また、アパートの場合、入居者へ負担をかけることを考えて、塗り替えスパンが比較的長いシリコン塗料やフッ素塗料を選ぶのがおすすめです。
足場代はアパートの外壁塗装費のうち約20%程度が妥当であり、60坪(200㎡)2階建てのアパートの場合、31万円前後が相場となっています。
・仮設足場の単価目安:700~900円/㎡
・メッシュシートの単価目安:100~200円/㎡
業者から見積もりをもらったら、足場やメッシュシート単価や工事費用に対してどのくらいの費用がかかっているのかなどを参考に、適正な価格かチェックしてみましょう。
そのため、アパートの外壁塗装費のうち約30%程度の人件費がかかることが一般的です。
外壁塗装の工事には塗料や高圧洗浄機など、さまざまな材料や工具、機械が必要になるため、それらを運ぶための運搬費がかかります。さらに、職人が現場に来るまでの費用もかかるでしょう。
そのほか、現場管理やアフターサービス・保証にかかる費用なども諸費用に含まれます。
諸費用はわかりにくい項目のため、費用を上乗せしやすいポイントになります。諸費用にどのような項目が含まれているのか、詳細まで確認しておくと安心です。
アパートの外壁費用の相場は、2階建てで120〜300万円、3階建てで150〜400万円となっており、価格にかなり差があることがわかります。
では、アパートの外壁塗装の費用はどのようなポイントで差が出やすいのか見ていきましょう。
階数が多くなって建物が高くなるほど、必要な塗料が多くなるうえに、足場を組む面積も大きくなるため、結果的に工事の規模が大きくなって施工費用が高くなるのです。
なお、2階建てのアパートの塗装面積は約500㎡、3階建てのアパートの場合は約700㎡となっており、2階建てよりも3階建ての方が施工費用が高くなりやすいといえます。
先に解説したとおり、塗料のグレードによって単価が異なります。
2階建てのアパートの塗装面積が約500㎡であると仮定して、ウレタン塗料とフッ素塗料を採用した場合を比較してみましょう。
ウレタン塗料:500㎡(塗装面積)× 1,700~2,500円 = 85~125万円
フッ素塗料:500㎡(塗装面積)× 3,500~4,800円 = 175~240万円
このように、塗料のグレードによって100万円以上の差がつくことも珍しくありません。しかし、グレードの高さに比例して耐用年数が長くなる傾向にあるため、必ずしも単価の安い塗料を選んだ方が得とは限りません。
一度の施工費用や塗り替え頻度などを比較し、将来的にかかるメンテナンスコストをシミュレーションして塗料を選択しましょう。
アパートの外壁塗装にかかる施工期間や11〜14日程度かかるのが一般的であり、以下のような工程で進めていきます。
ステップ1:足場組み立て(期間:1日~)
ステップ2:養生(期間:1日)
ステップ3:高圧洗浄(期間:3~4日)
ステップ4:下地処理(期間:1日)
ステップ5:下塗り(期間:1日)
ステップ6:中塗り(期間:1日)
ステップ7:上塗り(期間:1日)
ステップ8:完了検査(期間:1日)
ステップ9:足場解体&完成(期間:1日)
実際の塗装を行う工程は「下塗り・中塗り・上塗り」ですが、足場の設置・解体や養生、高圧洗浄など、さまざまな工程が必要になります。
そのため、スムーズ工事を進められたとしても10日以上はかかるでしょう。また、アパートの塗装面積が多かったり、雨や雪の影響で作業を進められなかったりした場合は、さらに施工日数がかかります。
アパートの外壁塗装は、2階建ての物件で少なくとも120万円以上の施工費用がかかります。
そのため、
「明らかな劣化が見られないならやりたくない」
「アパートの外壁塗装にお金を必要はあるのだろうか」
と感じているアパート経営者の方もいるでしょう。
結論として、定期的な外壁塗装は、アパートの経営に必須となります。
ここでは、アパートの経営において外壁塗装が必要である理由を解説します。
アパートの外壁は常に雨風や紫外線などにさらされています。しかし、外壁材だけでは十分な防水性がないため、短期間で劣化症状が見られたり、雨水が建物内に侵入してしまったりする可能性があります。
そこで、外壁表面に外壁塗装を行い、塗膜を形成することで、塗膜が鎧のような存在となって外的要因から住まいを守ってくれるのです。
ただし、外壁塗装も永続的な効果はないため、時間が経つにつれて塗膜が劣ってしまいます。そのため、住まいを外的要因から守り続けるためには、定期的な外壁塗装が欠かせないのです。
とくにアパートの外観は、入居率に影響する重要なポイントです。たとえば、物件の見た目が美しい物件と、外壁塗装が色あせていて古さを感じられる物件を比較した場合、そのほかの条件が同じであれば前者の物件を選ぶ方が大半でしょう。
むしろ、家賃が多少高くても、外観が美しい物件を選ぶ方も一定数います。
アパートの美観が整っていることは、入居検討者に対して「管理が行き届いている」「快適に暮らせそう」という印象を与えることができるため、結果的に入居率アップが期待できるのです。
というのも、外壁塗装が劣化したまま放置すると、外壁塗装のときに行う下地処理に工数がかかるため、施工費用が相場よりも高額になりやすいからです。
さらに、外壁塗装の効果が切れたまま放置していると、外壁材や建物にダメージが生じ、外壁塗装ではカバーできないほど劣化が進んでいるケースもあります。その場合、外壁の張り替えなど大規模な修繕が必要になり、外壁塗装よりもさらに施工費用が高額になります。
このように、適切なタイミングで外壁塗装を実施しておくことで、建物をよい状態で維持することができ、将来的にかかるメンテナンスコストを抑えることにつながるのです。
アパートの外壁塗装はメリットが多い反面、実施するときは後悔やトラブルにならないよう注意点やポイントを押さえておく必要があります。
ここでは、アパート外壁塗装の注意点とポイントを解説します。
アパートの外壁塗装は入居者が住んでいる状態で行うため、春か秋が最も入居者に負担をかけにくいことが理由として挙げられます。
施工期間中は窓の開け閉めができなくなったり、一時的にエアコンの使用を制限されたりするため、冷房や暖房を使わず、窓を閉め切っていても過ごしやすい春か秋が適しているのです。
さらに、秋は過ごしやすい季節であることのほか、春の入居者を外壁塗装したての状態で迎えられることも理由の一つです。
2月の終わり〜4月上旬は新生活シーズンとなるため、入居希望者が増えます。秋に外壁塗装を終えておくことで、 美観を整えた状態で春を迎えられるため、入居者が集まりやすくなるのです。
工事のお知らせは基本的に1ヶ月前、少なくとも1週間前に済ませるようにしましょう。その際、工事期間や作業時間、緊急連絡先、期間延長の可能性などを記載しておくことのほか、工事車両の出入りがあることや、窓の開け閉めが制限されることなど、注意点をこまかく記載しておようにしましょう。
また、入居者だけでなく、近隣の住宅や集合住宅にも告知を行うのが基本です。戸建ての場合は直接住民の方に説明し、集合住宅の場合はオーナーや管理会社を通じて伝えるのがおすすめです。
そのため、外壁塗装業者を探すときは、アパートの外壁塗装の施工実績が豊富な業者に依頼するようにしましょう。
アパートの施工実績が豊富な業者なら、施工品質が安定しているのはもちろん、居住者の方への配慮などサービス面でも信頼できる可能性が高まります。
しかし、塗料の価格だけでなく、色やツヤの程度といった「見た目」と、耐用年数や遮熱効果などの「機能性」にも注目してみましょう。
とくに、アパートの色は建物のイメージを左右するポイントであるため、経営の一環だと考えて塗料の色を慎重に選ぶことをおすすめします。世代を問わず人気のあるベージュやクリーム色、落ち着きが出て洗練された印象になるブラウンなどが定番色といえます。
一方、遮熱効果を意識するなら黒やブラウンなどのダークカラーよりも、明るい色がおすすめです。
このように、建物に求める印象や機能性によって、適した塗料が変わってきます。費用面も意識しながら慎重に塗料選びを行うようにしましょう。
アパートの外壁塗装にかかった費用は、経費として計上でき、確定申告のときに、減価償却もしくは修繕費のどちらかで経費計上します。
減価償却:建物の価値や耐久性、性能を向上させるために実施した場合
修繕費:ひび割れや剥がれなどの劣化を補修する目的で実施した場合
減価償却費として計上する場合、各年度の売上金から経費として差し引けるため、利益を抑えやすく高い節税効果が期待できます。ただし、経営状態や資産状況によっては、弦伽償却費として計上するよりも、修繕費として一括計上する方がよいケースもあります。
どちらに分錐すべきか判断がむずかしい場合は、税理士などに相談するのがおすすめです。
今回は、アパートの外壁塗装について解説しました。
アパートの外壁塗装にかかる費用相場は以下のとおりです。
・2階建て:120~300万円
・3階建て:150~400万円
アパートの外壁塗装を実施することで、建物の劣化を防げたり、入居希望者が集まりやすくなったりする効果が期待できます。ただし、現状の入居者に配慮し、オーナーと入居者の双方が「外壁塗装をしてよかった」と思える工事にすることが大切です。
ぜひ今回の記事を参考に、理想的なアパートの外壁塗装を実施してみてください。
「アパートの老朽化に悩んている」
「アパートの資産価値を維持する方法を知りたい」
などの理由で、アパートの外壁塗装を検討している方もいるでしょう。
実際に、築年数が古いアパートでも、基礎知識を押さえて外壁塗装を実施すれば、見た目をよくしたり、劣化を防いだりできます。
ただ、費用相場や実施までの流れ、注意点などがわからず、どのようにアパートの外壁塗装を進めていけばよいのかわからないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、アパートの外壁塗装の基礎知識について解説します。アパート経営をしている方は、ぜひ参考にしてください。
アパートの外壁塗装の費用相場
まずはアパートの外壁塗装にかかる費用相場を「階数別」に見ていきましょう。また、「外壁塗装費」として総額だけを見るのではなく、内訳ごとの費用相場を把握しておくことも大切です。
そこで、アパートの階数別の外壁塗装の費用相場と、内訳ごとの費用相場を解説します。
階数ごとの費用の目安
アパートの外壁塗装にかかる階数ごとの費用相場は以下のとおりです。・2階建て:120~300万円
・3階建て:150~400万円
外壁塗装は建物の高さや塗装面積によって必要な費用が変わります。一般的に2階建てよりも3階建てのアパートの方が、塗料や足場、人件費などが多くかかることから、費用相場が高くなっています。
外壁塗装の費用の内訳
アパート外壁塗装の費用は、塗料代・足場代・人件費・諸費用の4つに大別できます。・塗料代:約20%
・足場代:約20%
・人件費:約30%
・諸費用:約30%
一つひとつの項目について見ていきましょう。
塗料代
アパートの外壁塗装でかかる費用のうち、塗料代は費用が変動しやすいポイントです。塗料のグレード | 単価(1㎡あたり) | 耐用年数 |
アクリル塗料 | 1,400〜1,600円/㎡ | 3〜5年 |
ウレタン塗料 | 1,700〜2,500円/㎡ | 8〜10年 |
シリコン塗料 | 2,300〜3,500円/㎡ | 10〜15年 |
フッ素塗料 | 3,500〜4,800円 | 15〜20年 |
このように、塗料のグレードが低ければ単価が安くなる反面、耐用年数も短くなります。
1㎡あたりの単価で見ると数百円〜数千円の差ですが、アパート全体の塗装面積として計算すると、塗料の種類によっては数十万円以上の差が出ます。
また、アパートの場合、入居者へ負担をかけることを考えて、塗り替えスパンが比較的長いシリコン塗料やフッ素塗料を選ぶのがおすすめです。
足場代
外壁塗装工事は高所作業となるため、足場代が必ずかかります。足場代はアパートの外壁塗装費のうち約20%程度が妥当であり、60坪(200㎡)2階建てのアパートの場合、31万円前後が相場となっています。
・仮設足場の単価目安:700~900円/㎡
・メッシュシートの単価目安:100~200円/㎡
業者から見積もりをもらったら、足場やメッシュシート単価や工事費用に対してどのくらいの費用がかかっているのかなどを参考に、適正な価格かチェックしてみましょう。
人件費
外壁塗装は単に塗料を塗るだけでなく、高圧洗浄や養生、足場の設置・解体などさまざまな工程があり、すべての工程を職人の手作業で実施します。そのため、アパートの外壁塗装費のうち約30%程度の人件費がかかることが一般的です。
諸費用
諸経費は、アパートの外壁塗装の総額の30%を占める、ウエイトの大きいポイントの一つです。外壁塗装の工事には塗料や高圧洗浄機など、さまざまな材料や工具、機械が必要になるため、それらを運ぶための運搬費がかかります。さらに、職人が現場に来るまでの費用もかかるでしょう。
そのほか、現場管理やアフターサービス・保証にかかる費用なども諸費用に含まれます。
諸費用はわかりにくい項目のため、費用を上乗せしやすいポイントになります。諸費用にどのような項目が含まれているのか、詳細まで確認しておくと安心です。
アパートの外壁塗装の費用で差が出やすいポイント
アパートの外壁費用の相場は、2階建てで120〜300万円、3階建てで150〜400万円となっており、価格にかなり差があることがわかります。
では、アパートの外壁塗装の費用はどのようなポイントで差が出やすいのか見ていきましょう。
階数
アパートの外壁塗装の費用は、建物の階数(高さ)によって変わります。階数が多くなって建物が高くなるほど、必要な塗料が多くなるうえに、足場を組む面積も大きくなるため、結果的に工事の規模が大きくなって施工費用が高くなるのです。
なお、2階建てのアパートの塗装面積は約500㎡、3階建てのアパートの場合は約700㎡となっており、2階建てよりも3階建ての方が施工費用が高くなりやすいといえます。
塗料の種類
アパートの外壁塗装において、塗料の種類も金額差が出やすいポイントです。先に解説したとおり、塗料のグレードによって単価が異なります。
塗料のグレード | 単位(1㎡あたり) | 耐用年数 |
アクリル塗料 | 1,400〜1,600円/㎡ | 3〜5年 |
ウレタン塗料 | 1,700〜2,500円/㎡ | 8〜10年 |
シリコン塗料 | 2,300〜3,500円/㎡ | 10〜15年 |
フッ素塗料 | 3,500〜4,800円/㎡ | 15〜20年 |
2階建てのアパートの塗装面積が約500㎡であると仮定して、ウレタン塗料とフッ素塗料を採用した場合を比較してみましょう。
ウレタン塗料:500㎡(塗装面積)× 1,700~2,500円 = 85~125万円
フッ素塗料:500㎡(塗装面積)× 3,500~4,800円 = 175~240万円
このように、塗料のグレードによって100万円以上の差がつくことも珍しくありません。しかし、グレードの高さに比例して耐用年数が長くなる傾向にあるため、必ずしも単価の安い塗料を選んだ方が得とは限りません。
一度の施工費用や塗り替え頻度などを比較し、将来的にかかるメンテナンスコストをシミュレーションして塗料を選択しましょう。
アパートの外壁塗の流れと期間
アパートの外壁塗装にかかる施工期間や11〜14日程度かかるのが一般的であり、以下のような工程で進めていきます。
ステップ1:足場組み立て(期間:1日~)
ステップ2:養生(期間:1日)
ステップ3:高圧洗浄(期間:3~4日)
ステップ4:下地処理(期間:1日)
ステップ5:下塗り(期間:1日)
ステップ6:中塗り(期間:1日)
ステップ7:上塗り(期間:1日)
ステップ8:完了検査(期間:1日)
ステップ9:足場解体&完成(期間:1日)
実際の塗装を行う工程は「下塗り・中塗り・上塗り」ですが、足場の設置・解体や養生、高圧洗浄など、さまざまな工程が必要になります。
そのため、スムーズ工事を進められたとしても10日以上はかかるでしょう。また、アパートの塗装面積が多かったり、雨や雪の影響で作業を進められなかったりした場合は、さらに施工日数がかかります。
アパートの外壁に塗装が必要な理由
アパートの外壁塗装は、2階建ての物件で少なくとも120万円以上の施工費用がかかります。
そのため、
「明らかな劣化が見られないならやりたくない」
「アパートの外壁塗装にお金を必要はあるのだろうか」
と感じているアパート経営者の方もいるでしょう。
結論として、定期的な外壁塗装は、アパートの経営に必須となります。
ここでは、アパートの経営において外壁塗装が必要である理由を解説します。
建物の資産価値を長期的に維持する
外壁塗装は、建物や外壁材を保護する重要な役割があります。アパートの外壁は常に雨風や紫外線などにさらされています。しかし、外壁材だけでは十分な防水性がないため、短期間で劣化症状が見られたり、雨水が建物内に侵入してしまったりする可能性があります。
そこで、外壁表面に外壁塗装を行い、塗膜を形成することで、塗膜が鎧のような存在となって外的要因から住まいを守ってくれるのです。
ただし、外壁塗装も永続的な効果はないため、時間が経つにつれて塗膜が劣ってしまいます。そのため、住まいを外的要因から守り続けるためには、定期的な外壁塗装が欠かせないのです。
美観を維持して入居率を上げるため
外壁塗装は、建物を雨風や紫外線から守るだけでなく、美観を維持する役割もあります。とくにアパートの外観は、入居率に影響する重要なポイントです。たとえば、物件の見た目が美しい物件と、外壁塗装が色あせていて古さを感じられる物件を比較した場合、そのほかの条件が同じであれば前者の物件を選ぶ方が大半でしょう。
むしろ、家賃が多少高くても、外観が美しい物件を選ぶ方も一定数います。
アパートの美観が整っていることは、入居検討者に対して「管理が行き届いている」「快適に暮らせそう」という印象を与えることができるため、結果的に入居率アップが期待できるのです。
アパートにかかるメンテナンスコストを抑える
アパートの外壁塗装は、一度に数百万円の費用がかかります。しかし、外壁塗装を定期的に実施することで、将来的にかかるメンテナンスコストを抑えられることも施工すべき理由として挙げられます。というのも、外壁塗装が劣化したまま放置すると、外壁塗装のときに行う下地処理に工数がかかるため、施工費用が相場よりも高額になりやすいからです。
さらに、外壁塗装の効果が切れたまま放置していると、外壁材や建物にダメージが生じ、外壁塗装ではカバーできないほど劣化が進んでいるケースもあります。その場合、外壁の張り替えなど大規模な修繕が必要になり、外壁塗装よりもさらに施工費用が高額になります。
このように、適切なタイミングで外壁塗装を実施しておくことで、建物をよい状態で維持することができ、将来的にかかるメンテナンスコストを抑えることにつながるのです。
アパート外壁塗装の注意点とポイント
アパートの外壁塗装はメリットが多い反面、実施するときは後悔やトラブルにならないよう注意点やポイントを押さえておく必要があります。
ここでは、アパート外壁塗装の注意点とポイントを解説します。
春か秋に施工する
アパートの外壁塗装では、春か秋を施工時期とするのがおすすめです。アパートの外壁塗装は入居者が住んでいる状態で行うため、春か秋が最も入居者に負担をかけにくいことが理由として挙げられます。
施工期間中は窓の開け閉めができなくなったり、一時的にエアコンの使用を制限されたりするため、冷房や暖房を使わず、窓を閉め切っていても過ごしやすい春か秋が適しているのです。
さらに、秋は過ごしやすい季節であることのほか、春の入居者を外壁塗装したての状態で迎えられることも理由の一つです。
2月の終わり〜4月上旬は新生活シーズンとなるため、入居希望者が増えます。秋に外壁塗装を終えておくことで、 美観を整えた状態で春を迎えられるため、入居者が集まりやすくなるのです。
工事が決まったらできるだけ早く告知する
アパートの外壁塗装を実施することが決まったら、できるだけ早く入居者に告知することもポイントです。工事のお知らせは基本的に1ヶ月前、少なくとも1週間前に済ませるようにしましょう。その際、工事期間や作業時間、緊急連絡先、期間延長の可能性などを記載しておくことのほか、工事車両の出入りがあることや、窓の開け閉めが制限されることなど、注意点をこまかく記載しておようにしましょう。
また、入居者だけでなく、近隣の住宅や集合住宅にも告知を行うのが基本です。戸建ての場合は直接住民の方に説明し、集合住宅の場合はオーナーや管理会社を通じて伝えるのがおすすめです。
アパートの外壁塗装の実績が豊富な業者に依頼する
ひとえに外壁塗装といっても、戸建てとアパートでは内容や注意すべきポイントが異なります。そのため、外壁塗装業者を探すときは、アパートの外壁塗装の施工実績が豊富な業者に依頼するようにしましょう。
アパートの施工実績が豊富な業者なら、施工品質が安定しているのはもちろん、居住者の方への配慮などサービス面でも信頼できる可能性が高まります。
慎重に塗料選びを行う
アパートの外壁塗装では、「可能な限り施工費用を抑えたい」と考えているオーナーが大半でしょう。とくに塗料は施工費用に直結するポイントであるため、できるだけ単価の安いものを選ぶ方も多い傾向にあります。しかし、塗料の価格だけでなく、色やツヤの程度といった「見た目」と、耐用年数や遮熱効果などの「機能性」にも注目してみましょう。
とくに、アパートの色は建物のイメージを左右するポイントであるため、経営の一環だと考えて塗料の色を慎重に選ぶことをおすすめします。世代を問わず人気のあるベージュやクリーム色、落ち着きが出て洗練された印象になるブラウンなどが定番色といえます。
一方、遮熱効果を意識するなら黒やブラウンなどのダークカラーよりも、明るい色がおすすめです。
このように、建物に求める印象や機能性によって、適した塗料が変わってきます。費用面も意識しながら慎重に塗料選びを行うようにしましょう。
アパートの外壁塗装費は経費にできる?
アパートの外壁塗装にかかった費用は、経費として計上でき、確定申告のときに、減価償却もしくは修繕費のどちらかで経費計上します。
減価償却:建物の価値や耐久性、性能を向上させるために実施した場合
修繕費:ひび割れや剥がれなどの劣化を補修する目的で実施した場合
減価償却費として計上する場合、各年度の売上金から経費として差し引けるため、利益を抑えやすく高い節税効果が期待できます。ただし、経営状態や資産状況によっては、弦伽償却費として計上するよりも、修繕費として一括計上する方がよいケースもあります。
どちらに分錐すべきか判断がむずかしい場合は、税理士などに相談するのがおすすめです。
まとめ
今回は、アパートの外壁塗装について解説しました。アパートの外壁塗装にかかる費用相場は以下のとおりです。
・2階建て:120~300万円
・3階建て:150~400万円
アパートの外壁塗装を実施することで、建物の劣化を防げたり、入居希望者が集まりやすくなったりする効果が期待できます。ただし、現状の入居者に配慮し、オーナーと入居者の双方が「外壁塗装をしてよかった」と思える工事にすることが大切です。
ぜひ今回の記事を参考に、理想的なアパートの外壁塗装を実施してみてください。
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